大阪教育大学附属幼稚園からの内部進学まとめ
幼稚園から小学校・中学校・高校までの内部進学は可能か?

「附属幼稚園に入れたら、そのまま小学校・中学校・高校まで内部進学できるのか?」という疑問は、大阪教育大学附属幼稚園を検討されているご家庭からよく聞かれます。

実際には、幼稚園から附属小学校へは内部からの連絡進学により進学しやすいとされていますが、小学校から中学校・高校への進学は、それぞれの段階で「連絡進学」という選抜を伴う内部進学枠があり、一部の方は外部の学校を選びます。完全なエスカレーターとは少し違う仕組みになっているのが実情です。

本記事では、次の3つのポイントを、公開情報と一般的に知られている傾向をもとに整理します。

  • 幼稚園から附属小学校への内部進学の実態イメージ
  • その先の、小学校 → 中学校 → 高等学校までの進学の流れ
  • 幼稚園受験の段階で、内部進学をどう捉えておくとよいか

※本記事は、ふぞよ塾が独自に集めた情報や公開されている募集要項・学校紹介・外部メディア等の情報をもとに、ふぞよ塾が独自に整理したものです。特定の学校への合否・進学を保証するものではありません。内部進学の制度や条件は年度により変わる可能性があります。最新情報は必ず各校の公式サイト・募集要項をご確認ください。

大阪教育大学附属のネットワークと「内部進学」の前提

1-1. 大阪教育大学附属の学校園の全体像

大阪教育大学には、大学と連携した「附属学校園」が複数存在します。大まかには、

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 高等学校
  • 特別支援学校

などから成るネットワークで、教育実践・研究の場としての役割も担っています。

その中でも平野地区(大阪市平野区)には、

  • 大阪教育大学附属幼稚園
  • 大阪教育大学附属平野小学校
  • 大阪教育大学附属平野中学校
  • 大阪教育大学附属高等学校平野校舎
  • 大阪教育大学附属特別支援学校

と、幼小中高がひと続きでそろっているエリアが形成されています。そのため、附属幼稚園を検討するご家庭にとっては、どうしても「その先の内部進学」が気になる構造になっています。

なお、附属幼稚園そのものの特徴や入試の流れについては、別記事 「大阪教育大学附属幼稚園の受験ガイド」で詳しくまとめています。

1-2. 「エスカレーター校」と「連絡進学」の違い

まず押さえておきたいのは、大阪教育大学の場合、

「附属 = 全員が自動的に上の学校へ上がっていく完全エスカレーター」ではない、という点です。

おおまかなイメージとしては、

  • 幼稚園 → 小学校:内部からの進学ルートがあり、実際に多くの園児が附属小学校へ進学している
  • 小学校 → 中学校:「連絡進学」という内部生向けの進学枠があるが、希望者全員が必ず進学できるわけではない
  • 中学校 → 高等学校:こちらも連絡進学枠があり、成績などをもとに選抜が行われる

という構図です。

1-3. 本記事のスタンスと前提

本記事では、内部進学の「率(%)」を正確な数字として言い切ることはしません。理由は、

  • 幼稚園・小学校・中学校・高校が、公式に内部進学率を数値で公表しているわけではない
  • 外部の受験情報サイト等には「ほぼ全員が内部進学する」といった表現もありますが、あくまで取材や体験談ベースの情報であり、公式数値とは限らない

ためです。

ふぞよ塾としては、

  • どういう進学ルートがあるのか
  • 目安としてどの程度内部進学が行われているか
  • 幼稚園受験の時点で、その構造をどう理解しておくとよいか

といった部分に焦点を当てて整理していきます。

幼稚園 → 附属小学校への内部進学

2-1. 幼稚園 → 附属平野小学校の連絡進学(内部進学)制度

平野地区の場合、多くのご家庭がイメージされている基本ルートは、

  • 大阪教育大学附属幼稚園
  •   ↓(内部からの進学)
  • 大阪教育大学附属平野小学校

という流れです。

附属平野小学校は、「ひとりで考え ひとと考え 最後までやりぬく子」を育てることを教育目標に掲げた学校で、附属幼稚園での生活と地続きの教育が行われています。幼稚園側も、小学校以降を見据えた「生活・遊び・学びの土台づくり」という位置づけを強く持っています。

2-2. 内部進学の実績について

大阪教育大学附属平野小学校の受験の2026年(令和8年)度入学者選考出願要項※1によれば、2026年度入学において附属幼稚園からの連絡進学者は54名だと記載があります。2025年度時点で附属幼稚園5歳児の定員は60名であるため、単純に定員ベースで計算すると、9割以上が附属平野小学校へ連絡進学することになります。

実際の在園児数や転園などによっては割合が変動する可能性はありますが、「多くの園児が附属小学校へ進学している」ことがうかがえます。

2-3. 内部進学に関係しやすい条件のイメージ

附属小学校の募集要項※1を見ると、内部・外部を問わず押さえておきたいポイントとして、例えば次のような条件が挙げられています。

  • 保護者とともに大阪府内に居住していること
  • 通学時間が、徒歩+公共交通機関でおおむね50分以内であること(卒業まで継続)

幼稚園と小学校の期間だけを足し合わせても9年という長い期間になるため、幼稚園受験の時点で上記を満たし続けられるかどうか、ある程度ライフプランと一緒にイメージしておくと安心です。

附属小学校 → 附属中学校への進学

3-1. 「連絡進学」という仕組み

附属小学校から附属中学校への内部進学の具体的な人数は、学校として公式に公表されていません。一方で、附属平野中学校の入試対策を行う「ひのき塾」が公開している入試データ※2によると、ここ数年は募集人数108名に対して、連絡進学者数はおおよそ50〜65名程度で推移しています。

もちろん年度によって変動はありますが、「附属小学校から附属中学校への内部進学は、毎年一定数行われている」と考えられます。

3-2. 中学校受験をしなくて良いという利点

中学校受験は一般に多くの時間や費用を必要とするイベントです。附属小学校からの内部進学により附属中学校に進学する場合には、それらの時間や費用を省略することができ、他のことに充てることができます。

子どもが熱中できる何かに費やすのもよし、先取り学習で中学校の範囲に触れていくのもよし、選択肢は広がります。

附属中学校 → 附属高等学校への進学

4-1. 中 → 高も内部進学枠あり

中学校から高校へも連絡進学の枠が存在しています。附属高等学校平野校舎の公式ウェブサイトによると、「第1学年約120名のうち、約48名が募集定員です。約72名が附属平野中学校からの連絡進学となります。」との記載があります※3。中学校側の1学年の定員が108名であることを踏まえると、単純計算では約66.7%が附属高等学校平野校舎へ内部進学していることになります(約3人に2人のイメージ)。

なお、自主的に外部の高校を選ぶ生徒もいるため、「希望者に限った内部進学率」は、これより高くなっている可能性があります。

4-2. 附属高等学校の進路実績

附属高等学校(特に平野校舎)は、いわゆる「進学校」として、

  • 国公立大学(旧帝大を含む難関校)
  • 関関同立などの有名私立大学

への進学実績が豊富です。年度によって数字は変動しますが、「関西の有力進学校の一つとして、幅広い大学へ生徒を送り出している」という認識でよいでしょう。

幼稚園受験の段階で考えておきたい3つのポイント

5-1. 「内部進学しやすさ」だけで選ばない

附属幼稚園の大きな魅力のひとつが、附属小学校への進学のしやすさであることは事実です。一方で、内部進学はあくまで「大きな魅力のひとつ」に過ぎません。そもそも附属幼稚園という環境そのものが、お子さんやご家庭の価値観に合っているかどうかが、最も大事なポイントです。

  • 幼稚園の教育方針や、園生活の雰囲気
  • 保護者の参加負担(給食調理・行事・係活動など)

など、内部進学のしやすさ「だけ」に引っ張られず、教育方針・家庭の働き方・負担感なども含めて総合的に見ることをおすすめします。

5-2. ご家庭のライフプランとのフィット感

附属小学校の通学時間制限(おおむね50分以内)などを見ていくと、

  • 今後10年の住まいのエリア
  • きょうだいの進学とのバランス
  • 共働きか、片働きか

といったライフプラン全体とも密接に関わってきます。「とりあえず附属幼稚園を受けてみる」ではなく、

  • 10年後も、おおよそこのエリアに住んでいるイメージか
  • 教育費をどのタイミングでどの程度かけたいのか

といった点も、ざっくりとでも家族で話しておくと、幼稚園受験の判断がしやすくなります。

5-3. 途中でルート変更する可能性も織り込む

実際には、

  • 幼稚園 → 小学校までは附属、中学からは外部へ進む
  • 小学校から外部中学へ受験する
  • 高校だけ外部(公立トップ校や私立進学校)へ出る

といった途中でのルート変更も珍しくありません。「附属に入ったら最後まで附属で行かなければいけない」というわけではなく、「附属という強い選択肢を持ちつつ、節目ごとに外部も含めて選択し直せる」くらいに考えておくと、プレッシャーが少し和らぎます。

まとめ:附属幼稚園から始まる“選択肢の多い進路”として捉える

最後に、本記事のポイントを整理します。

  • 幼稚園 → 小学校:附属小学校への内部進学ルートがあり、実際に多くの園児が進学しているとされる
  • 小学校 → 中学校 → 高校:各段階で「連絡進学」という内部進学枠がある一方で、希望者全員が自動的に進学できるわけではなく、一定の選抜が行われる

幼稚園受験の段階では、「内部進学が期待できる附属ルート」という魅力を認めつつ、「幼児期をどう過ごしたいか」「家族のライフプランとフィットするか」といった視点も合わせて考えていくことが大切です。

※本記事の内容は、2025年時点で公開されている情報と一般的な傾向をもとに、ふぞよ塾編集部が独自に整理したものです。制度や条件、募集人数等は年度によって変更される場合があります。実際に受験や進学を検討される際は、必ず最新の募集要項・公式情報をご確認ください。

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出典

  1. ※1 大阪教育大学附属平野小学校 2026年(令和8年)度入学者選考出願要項
    https://f.osaka-kyoiku.ac.jp/hirano-e/2026-application-guidelines/
  2. ※2 ひのき塾 傾向と対策 – 大阪教育大学附属平野中学校
    https://www.hinoki-juku.com/hirano_m_school/
  3. ※3 大阪教育大学附属高等学校平野校舎 中学生の方へ よくある質問
    https://www.hirano-h.oku.ed.jp/question